世の中「断捨離」ブームですね。ブームに乗った訳ではありませんが、私も断捨離をしました。しかも「家ごと」しちゃいました。
どうして「家ごと」断捨離したのか、その結果どうなったのかまとめてみました。
古い家を捨てる決断
我が家は築60年以上の店舗兼住宅でした。しかし現在、店舗として使っていません。住んでいるのは、80歳の母親と50歳の息子の2人だけです。
どのような理由で、決断したのでしょうか?あくまで、我が家の状況(中高年の2人暮らし、田舎の広い家、身内が遠くに住んでいる)において理由をあげてみました。
理由① 修理が追いつかない
建物が古いため、雨漏りも酷く、傷んでる箇所も多くあります。田舎の家のため、家の広さも大きく、修理が追いつきません。
そのまま放置すると、強い風とか地震とかの自然災害で、近所に迷惑をかける恐れがあります。
全部きちんと直すと、小さな新しい家が1軒建つくらいです。
理由② 草取りなどメンテナスが出来ない
田舎なので、広い庭があります。都会の人からすると、うらやましい部分もあるかと思いますが、とにかく、メンテナンスが大変です。
夏には雑草、冬には雪かきと、中高年の2人暮らしには、荷が重すぎます。
理由③ 相続人が近くに住んでいない
万が一、ここに住んでいる2人が亡くなると、家と土地の相続は、隣県に住む兄弟のところにいきます。新築ならともかく、築60年以上の古い家を、遠くに住みながら管理することは大きな負担になります。
処分するにも、解体費がかかり、売ろうと思っても、売れなければ、固定資産税がかかります。このような負担を兄弟や甥っ子・姪っ子に残したくありません。
理由④ もともと生涯「賃貸」で構わないと考えていた
私は、もともとシンプルな生活を希望していました。自分にとって不必要な物であれば、人に譲ったり、捨てたりしたいと考えています。
古くて広い家は、中高年2人にとって、必要ありません。私個人は生涯「賃貸」で構わないと思っていました。
「家ごと」断捨離を阻むもの
このような理由で「持家」を処分し、「賃貸」にする決断をしますが、そこには見えない壁があります。
家の断捨離を阻むもの① その家に住んでいる家族
いくら家の断捨離を決断しても、一緒に住む家族が反対したら断捨離できません。
特に高齢者は住み慣れた家を手放すことに抵抗があります。一緒に住む家族の同意を得ることは絶対条件です。
我が家の場合は、80歳になる母が、初め渋っていましたが、度重なる雨漏りや水道管破裂に嫌気がさし、最後は納得の上で家を処分することにしました。
家の断捨離を阻むもの② その家に住んでいない兄弟、叔父、叔母
我が家の場合、実家だったため、我が家で育った母の姉妹(叔母)がいます。既に遠くに嫁いでいるものの、実家の処分には抵抗があります。
叔母たちに管理責任は無いものの、事を円満に進めるために、ある程度の同意は必要かと考えます。
でも、家に何かトラブルがあれば、責任は家主である私と母親が取らなくてはいけません。そういう意味では、叔母たちはあくまで感傷的に主張するだけで、責任をもった発言ではありません。
家の損傷が激しい場合などは、管理責任のある家主の決断が優先されるべきと考えています。
家の断捨離を阻むもの③ 近所の目
何十年も住んでいる土地や家を処分するとういことは、田舎では考えられません。そのため、近所の方にも丁寧な説明が必要です。
本音では、同じように必要なくなった土地や建物を処分したいと思っていても、周りの目を気にして、実行できない人も、田舎では多くいます。
でも、自然災害等で周りに迷惑をかけて、責任をとるのは、家主です。やはりここでも管理責任のある家主の決断が必要となってきます。
「家ごと」断捨離をついに実行
このように「家ごと」断捨離を阻む壁を解決し、実行に移します。我が家の場合は、円満に進めることができたと思います。
築60年以上の古くて広い家
↓
近所の築30年2DKのアパート
築30年と言っても、それなりにリフォームもしています。その為、ウォシュレットトイレやお風呂の追い炊き機能とかもついていて、中高年2人が住むには充分です。
また、近所のアパートを見つけることができたので、生活スタイルを維持することができ、変化に対する高齢者の母のストレスも少しは軽くできたのではないかと思います。
「家ごと」断捨離のメリット
「家」ごと断捨離をして良かったと思う点を上げてみます。
メリット① 不用品が一気に片付いた
部屋数7の広い家から2DKのアパートに引っ越したため、持っていける物は限られています。この機会に家にあった不用品を全部、捨てることが出来ました。
メリット② 掃除が楽になった
2DKしかないので、当然 、除が楽になり、丁寧に行えるようになりました。
メリット③ 草取り 雪かきが無くなった
当然、アパートですので、草取り、雪かきの必要がなくなりました。
メリット④ 家族の距離が縮まった
無駄なスペースがないので、お互いが気を使うようになり、広い家に住んでいた頃に比べ、断然、家族の距離が縮まりました。
メリット⑤ 家計が楽になった
アパートだと、部屋が小さい為、暖房費も以前に比べ少なくなり、家計が楽になりました。スペースが限られているため、無駄なものを買うこともなくなりました。また、住宅保険の負担も少なくなりました。
メリット⑥ 暴風雨が近づいてきても 建物の心配をしなくなった
古い家は、至る所、傷んでいたので、暴風雨の際、建物が壊れるのではないかという心配がありました。
メリット⑦ 自分の本当に必要な事や物が見つかった
メリットの中でこのことが一番大きかったです。
必要最低限の物しかないため、何かを購入する際、それは今の自分に必要な物なのか考えるようになりました。
そして、自分の本当にやりたいことに、その物は必要なのか考えました。
物を吟味すると同時に、自分の心も吟味し、自分に本当に必要な物・ことが分かってきました。
通常の「断捨離」もそうですが、「物理的」に片付くというメリットもありますが、「心理的」メリットも得るということが大きいですね。
私の場合は、自分の「想い」を発信したいということが分かり、このように実際に「ブログ」を始めることができました。以前は自分が「ブログ」をやるなんて考えもしませんでした。
「家ごと」断捨離のデメリット
良かった点もあれば、当然、悪かった点もあります。
デメリット① 固定資産税が6倍になる
古い家は取壊し、更地にしました。てっきり、住居部分の固定資産税がなくなるので、少なくなるかと思っていたら、逆に高くなってしまいました。
土地に建物が建っていると固定資産税が安く、更地だと高くなるのを、処分した後に知りました。
空き家のままだとご近所さんに迷惑をかけると思い、バカ正直に家を処分した人が損をする制度はさすがに間違っていませんか。
今、問題となっている「空き家」問題を解決するどころか、真逆の政策です。更地にして、固定資産税が高くなるなら、空き家を建てたままにしますよね。<まともな役人や政治家がいたら、是非、解決してください>
土地の計算上、実際は6倍にはならず、我が家の場合は、約1.5倍くらいで済みましたが、やはり納得のいかない制度です。
我が家の場合は、更地を「売り」に出しているので、もしその土地が売れてくれれば、解決します。ただこれからは、人口も減り、まして、田舎なので、絶対売れるという保証はありません。
「空き家」問題と固定資産税についてはこちら
デメリット② 高齢になった時「賃貸」に住めるのか不安が残る
「賃貸」だと高齢者お断りのところもあります。ただ、今の時代、高齢者専用住宅やサービス付老人ホームもあるので、若干、不安はあるものの、そこまでは心配していません。ただお金がかかるので、そちらの方が心配です。
デメリット③ 解体費用がかかる
家の解体にお金がかかります。更地にした後、その土地が売れれば、その費用を充てることができます。
デメリットはこの位です。私の場合は圧倒的にメリットの方が多かったです。
心身ともに楽になる
自分に本当に必要なものかを吟味することにより、自分を見つめ直すようなる
見つめ直すことによって、自分の本当にやりたいことがみつかる
今回は、我が家の場合をまとめてみました。当然、家族構成や環境などにより、メリット・デメリットが違います。
よって、決して「家ごと」断捨離を推奨しようとは思いませんが、「実家問題」「空き家問題」等の参考になればと思います。