日常の中の気づき

「空き家問題」を解決する方法はあるのか

今、全国で「空き家問題」が広がっています。その解決方法はあるのか探っていきたいと思います。

空き家の問題点

そもそも空き家のどこが問題なのでしょう。

それは、やはり「近隣への迷惑」に尽きると思います。

手入れが行き届かないため、草木が伸び放題になる

不法にゴミが捨てられる

不法侵入され、溜り場になる

放火される

強風時、家の破損部分が飛ばされる

家の持ち主も困りますが、近隣住民が一番、迷惑します。やはり、使用していない建物は何らかの処置が必要となります。

空き家の処遇

それでは、空き家をどのようにすれば良いのでしょう。

① 家を売りに出す

② 家を誰かに貸す

③ きちんと手入れして 空き家のまま所有する

④ 更地にして、所有する

⑤ 更地にして、土地を売りに出す

以上のような事が考えられます。

①から③に関しては、所有者もしくは住居者がいるので、手入れが行き届くようになります。

④と⑤にはおいては、建物自体がなくなるので、「空き家」問題としては解決します。

それでは、なぜ、そうならないのでしょう。面倒くさがって何も行動しない。こういう方が一番多いのではないかと思います。

しかし、必ず、そのツケは回ってきます。自分の代に解決しなければ、子や孫の代まで、引き継がれます。解決が遅れれば遅れるほど、手続きが面倒になります。やはり、今の所有者が責任を持って対処すべきです。

ただ、建物を壊したいと考えていても、ある制度が邪魔をしている場合もあります。

更地にすると固定資産税が6倍になる?

そうなのです。近所に迷惑になると考え、正直者のAさんが、建物を壊し、更地にします。

そうすると、建物部分の固定資産税がなくなり、その分安くなると思いきや、土地部分の固定資産税が6倍になるのです。

実際は計算上6倍まではなりませんが、2~3倍くらい高くなります。

これは「住宅用地の特例」制度によるものです。建物がある場合、その土地の課税標準額が軽減されます。

200㎡以下の部分(小規模住宅用地)→ 課税標準の6分の1に軽減

200㎡超の部分(一般住宅用地)→ 課税標準の3分の1に軽減

例えば 300㎡(約90坪)<評価額1㎡10万円>の土地の空き家<評価額500万>を処分した場合

土地200㎡ 200×10÷6=333
土地100㎡ 100×10÷3=333
土地の固定資産税 666×0.014=9万3千円
建物の固定資産税 500×0.014=7万円
合計(土地+建物) 9万3千円+7万円=16万3千円

この建物を解体、更地にすると

土地の固定資産税 300×10×0.014=42万

その差額 解体前 16万3千円
解体後 42万
その差 25万7千円(約2.5倍)
あくまで、分かりやすくするため単純に計算しました。それでも高くなることは理解出来たと思います。

空き家でも、万が一のことを考えて、住宅保険をかけて場合は、その分の費用はなくなりますが、固定資産税が上がることには変りません。

せっかく、解体費をかけて取り壊しても、固定資産税が高くなるくらいなら、そのまま空き家にしていたほうが良いと考える所有者がいてもおかしくありません。

しかし、近所のことを考え、正直に建物を解体した人の固定資産税が高くなり、空き家をそのままにしている人の固定資産税が安いままの制度は間違っています。

まともな役人や政治家が、もし、存在するのであれば、この問題を解決してして頂きたいです。

「住宅用地の特例」の見直し

今の状態では、税収は変わりません。

それなら、早く更地にして、新たな利用を促進していく方が、結果的に、資産価値が高まり、税収も高くなる可能性があります。

特例を廃止すれば、家所有者が困りますので、今の「住宅用地の特例」の課税標準額を基本にして、建物があろうが、なかろうが同じ税率にすることが、今出来る一番簡単な方法だと思います。

もちろん、これだけで、簡単に「空き家」問題が解決するとは思いません。

解決には、所有者がその責任をきちんと負うことが本来の姿です。

しかし、同時に、金銭的負担を少なくし、空き家の解体を促進していくことも重要です。

なにより、近隣の事を考えて、空き家を真面目に処分する人が、損をする制度はやはり、間違っているとしか思えません。

最後に

今回は、私が実家を処分する時に、感じたことをまとめてみました。

更地にするには、解体費用がかかり、その負担は少なくありません。その上、税金まで高くなってしまうなら、処分をあきらめるという気持ちも分かります。

しかし、いつかは誰かが責任を負わなければならない、避けては通れない道です。

だからこそ、その所有者に行動を促すためにも、現行制度の見直しを考えていくべきと感じました。